迷子の子猫ちゃんは犬のおまわりさんに会えたけど
迷子の少女は何も言えず、誰にも出会えず大きくなりました
悲しいときもひとりぼっちで、つらいときもひとりぼっちで
助けてもらえることも、救ってもらえることもないまま
迷子の少女は歪んだ心を成長させていきました
心をひらけるモノもなく、心をゆすせるモノもなくて
誰かの言葉は雑音で、誰かの視線は尖ったナイフ
いつしか少女は、くらい部屋で殻にとじこもり
全てをうらみ、にくむようになりました
もし、迷子になったとき大声でないていたら
もし、迷子になったとき誰かに出会えていたら
少女の世界はかわっていたのかもしれない

わたしは少女にきづかずに通り過ぎてしまった
少女の瞳からは精一杯のシグナルが発せられていたのに
なにかを伝えようとしていた合図を私は見落とした


2008/02/14:「シグナル」

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