映写機の中の思い出は
情景は鮮明に
けれど
感情の感触はおぼろげに
全てのメモリーを想起するだけの力はない

けれど、あの一瞬一瞬は間違いなく輝いていた

運命にさえ逆らう情熱を
灼熱にさえ勝る欲望を

小さな胸に秘め、あの一瞬一瞬に命をかけてきた

歩みを進めるごとに時間も共に進み
世界は歴史を刻むように
肌は皺を刻み帰した生活を迎えた

情熱が静穏の代償として昇華していけば
感情は記録された感覚に変容してしまう

当然の現象は追憶を与え
泡の様に消散する情熱の一握りを
思い出の中に閉じ込めて
映写機は絶えず回り続けていく

あの一瞬一瞬に捧げた若さは、くすむ事なく私の中で光を放つ

 
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