第三章:「攻防戦」

あんなに憧れて病まなかった憧れの人との距離は
私の想像を簡単に壊して消し去ってしまった

見つければ何時までもその姿を目で追っていたというのに

尊敬する憧れのその人は嫌いな人になっていた
飄々として意味の取れない戯言を繰り返す

断りなく優しい顔をさせて私の領域に入ってこようとしないで

構われたくないから突き放すのに何処までも追ってくる
裏切りが怖いから目を逸らすのに飛び込んでくる

煩わしいのに無下に出来なくて
苛立たしいのに拒めなくて
追い出そうとしても気づけば勝手に私の領域に踏み込んでいる

隙を見せる仕草に鉄壁は壊れだし、修復しようにも間に合わず
乱れた感情が我慢されることなく零れだす

完璧に作りあげたこの鉄壁が崩壊するのも、もう時間の問題