くろねこ
ある日の夕暮れの事でした。
学校からの帰り道。
青い目を輝かせる黒猫から
月行きのチケットを貰いました。
「明後日、月のお茶会にご招待します。約束の時間に遅れないでね。」
うん。と頷いて チケットを失くさないように
胸ポケットにしまいこみました。
そして私は眠りました。
次の日の朝
起きて窓に目をやると、外には黒猫が一匹。
黒猫、ニャーと心配そうに鳴いて
「大丈夫」と返事をしたら
黒猫、姿を隠してしまいました。
学校にいって、帰ってきて、夜になって
約束の時間、約束の場所に行きました。
そこには、タキシードに身を包む黒猫が一匹。
「今宵はお茶会のご招待、ありがとう。」
黒猫は私の手のひらにキスをして
黒猫は光の階段に、私を誘いました。
一人と一匹
月への階段、段々と街が小さくなり
綺麗な惑星に囲まれて
一人と一匹
ささやかなお茶会を開いてもらいました。
「私は、本当は猫ではありません。」
黒猫は言いました。
私は そう と言いました。
「そうなんです。」
黒猫はにっこり微笑みました。
次の日、いつもの自分の部屋で目が覚めました。
手には石のお土産が一欠けら。
夢か現実か区別がつきませんでした。
学校に行く途中、素敵な人に出会いました。
その人はなんとなく
昨日の黒猫に似ていました。