女性視点(原作)
真夜中に眠りを邪魔する携帯の着信音。
「誰よ、こんな時間に。」
苛立つ私は着信が止むのを待った。
それでもしつこく鳴り続ける電話に観念して
暗闇の中、手探りで携帯を探す。
「時間考えろよ。」
呟きながら、着信の名前を確認した。
登録してないない、番号。
一瞬にして眠気は消えた。
「○○さん・・・」
忘れるはずもない番号。
番号を教えてもらったのが嬉しくて一番最初に覚えた番号。
鼓動が少しずつ早くなる。
好き過ぎて、どうしていいか解らなくなって
自分から別れを告げた。
暫くは連絡があったけど、わざとでなかった。
そのうち連絡もなくなって、番号は消してしまった。
あの時の気持ちが蘇る。
甘くて切なくて、泣きそうになる程好きだった。
嫌われるのが怖くて自ら断った想い。
出たい反面、出ても何を話していいか解らない。
そうこう考えているうちに、留守電に切り替わった。
切るだろうと思って携帯を置こうとした瞬間
懐かしい声が聞こえてきた。
「・・・・あ、○○だけど覚えてるかな?こんな時間にゴメン。」
どうして?
絶対、留守電なんか残さない人なのに。
どうして留守電なんか残すの?
長い沈黙の後
「もし良かったら電話下さい。」
そう残して留守電は止まった。
「なんで今更・・・」
昔に終わったはずの恋。
短いメッセージが頭の中で響く。
忘れていた想いが私の身体を震わせた。
女性視点(原作) 著者:tou5